占い師の真を取れるかどうかは、COする前に決まっている??【人狼論文No.7】人狼ゲームにおける信頼の分析(2017)

今日の論文

人狼ゲームにおける信頼の分析

  • 第31回人工知能学会全国大会
  • 園田 亜斗夢、鳥海 不二夫

抄録

本研究では、ゲームの勝敗がプレイヤー同士の情報交換に依存する「コミュニケーションゲーム」である「人狼ゲーム」を研究対象とする。人狼ゲームでは,会話を通して,他のプレーヤーと協力したり,騙したりしながら自らの勝利条件の達成を目指す。そこで、信頼と説得に特化したゲームとしての人狼ゲームに注目し,ゲームプレイの中で短期的な信頼がどのように確立していくのかを明らかにする.

内容

インターネット掲示板を用いて人狼ゲームをする人狼BBSの分析をした研究です。
人狼BBSは、分析可能な人狼ゲームの結果データとしてよく学術研究に用いられています。

この研究は、占い師が初日に2人COした場合、信頼される占い師はどのようなものかを分析した研究です。
ここでいう「信頼」は、

  • 本人に投票が入っていない
  • (初日結果白の場合)白先に村側から投票が入っていない
  • (初日結果黒の場合)黒先に村側の過半数の票が入っている

の3要素によって定義されています。

分析の結果、実際の役職が本物の占い師である場合と、狼側の騙りである場合とでは、信頼される確率に有意水準1%で差が見られ、本物の占い師のほうが初日に真を取りやすいことが分かりました。
よって、村側の人間は何かしらの方法によって初日に本物の占い師を見抜けることが多いと考えられます。

そこでLDAと呼ばれる手法を用いた自然言語の統計的潜在意味解析を行い、信頼される占い師とされない占い師の発言内容の差を調査しました。
その結果、「初日CO」に関する発言をすると信頼されやすく、「推定」に類する発言は信頼されにくいことが分かりました。
これは、初日に占い結果という確定情報を持っているにもかかわらず、印象に頼った発言をすることが怪しいと思われるからだと推測できます。

ただし、LDA分析から見られる発言内容による信頼度の差よりも、実際の役職による信頼度の差のほうが強く信頼に影響しているようです。
LDAは簡単な言語情報しか分析できないため、もっと複雑な言語情報によって村側の人間は占い師の真贋をつけようとしていると言えます。

感想

初日COの段階で、偽物の占い師は信頼を得にくいという、なかなか衝撃的な内容。
いわゆる「真パッション」というものが働いているのかもしれませんが、所詮偽物は本物には勝てないということなのでしょうか。

だからこそ、人狼側で勝つととても気持ちいいんですけどね。

論文を読んで気になったのは、初日の結果が白だった時と黒だったときでは信頼に差があるのがどうか、ということです。

  • 「さすがに初日に黒特攻はしないだろ(=だから信頼できる)」
  • 「さすがに初日に黒は見つけられないだろう(=だから信頼できない)」

どっちも考えられるので、ぜひこの先の研究に期待したいと思います。