2018年第2回ヒマラボに参加して


6月23日(土)に開催された2018第2回ヒマラボに参加してきました。

今回は、ヒマラボ研究員3名の発表と、モリタ先生による論文ワークショップがありました。

発表のまとめっていうより、自分にどう関係してるかベースで書いてるので、そこはごめんなさい。

ブラック企業」の定義って・・・?

まず研究員の池田社長から、エンプロイヤーブランドに関する論文の紹介と解説でした。

「エンプロイヤーブランド」とは、企業ブランディングをするうえでの1つの側面です。

普通、会社のブランドと聞くと、商品のブランドがまず最初に浮かぶと思います。
商品のブランド力は、会社の、顧客に対するブランド力といえます。

一方、池田社長が研究されているエンプロイヤーブランドとは、会社の、労働者に対するブランド力とのこと。

発表で取り上げられた論文では、このエンプロイヤーブランドの高さを測る指標として、「労務環境と労働条件(はたらきやすさ)」と「動機付けの有無(やりがい・成長できる的なこと)」という2つの軸で企業を4つに分類していました。
そしてこのうち、

としていました。

これまでなんとなく使っていた『ホワイト企業』『ブラック企業』という概念に定義づけをしていたことが印象的でした。


もう一つ印象に残ったのが、『ブラック企業』には女性社員が少ないということ。
ブラック企業は退社していく人員を補充するために、産休などの福利厚生を過剰に謳って女性を含めた多くの採用をするが、実態として産休などの制度が運用されていない(=現場の理解が得られておらず、制度を活用できない企業文化になっていることが多い)ため、女性社員はほとんど定着せずに退社していく。そしてその穴を埋めるために採用をするという負のループが起きているようです。


就職活動における企業研究をおこなううえで、単なる口コミに頼るのではなく、このような考え方を基づいた分析をする手もあるのだと分かりました。

部活マネジメントについて

続いて、同じく研究員をしている商3年の渕上さんから、大学の部活において強豪校と一般校で部員の満足度にどのような違いがあるかという論文のレビューがありました。

その論文では部活チームの志向を

  • 課題指向性:チーム全体で目的達成を重視(勝ちたい)
  • 関係指向性:チーム全体で人間関係を重視(仲良くやりたい)

とに分け、それぞれ強豪校(全国大会出場する)と一般校とでどんな違いがあるか調査されていました。

その調査によると、強豪校は一般校に比べ、課題指向性と関係指向性の両方が高いという結果になりました。

渕上さんはこの違いが部活マネジメントの違いにあるのではないかと仮説を立て、部活マネジメントの違いが部員の満足度や実績に与える影響などを研究していくそうです!

スポーツではないのですが、僕も現在サークルや団体に所属しており、部員間の意識の差や関与度の違いに悩むこともあります。
部活というある意味特殊な環境の中で、指向を共有するにはどうすれば良いかということにはとても興味あるので、渕上さんの研究の発展がとても楽しみです。


謎解きゲームがおもしろくない理由

3番手として僕が、体験型謎解きゲーム(要するにリアル脱出ゲーム)に没入させるための2つのアプローチについての提案と、適切なレベルデザインが行われている事例が書かれている論文のレビューをおこないました。

謎解きへの没入は

  • 謎解きそのものへの没入
  • 謎解きを通したストーリーへの没入

の2パターンが存在すると仮説を立て、それぞれを解明するためにそのような研究アプローチが可能か提案をしました。


論文レビューとしては、北海道情報大学の斎藤ゼミが江別市とコラボして制作した街歩き型の謎解きゲームの報告論文を取り上げました。
その報告ではゲーム実施後のアンケートでは、問題番号が大きくなるにつれて参加者の感じた平均難易度が上昇していくという結果になっていました。
ゲームのレベルデザインとして、はじめは簡単で徐々に難しくなっていくという設計は適切なものだといえるでしょう。
謎解きの問題について難易度を調整するための材料になると思い、この論文をレビューしました。


もちろん、今回も謎解きの問題を準備していきました。

自作謎ではなく、最近解いた中でいちばん脳汁が出た問題を紹介しました。
(答えは静岡高校謎制作団体ΩさんのTwitterを見てみてください!)

この問題、パッと見なんとなく解けそうなのに「ん???」となる感覚がたまらない問題でした。


さて、謎解きゲームについて参加者の方々に意見・フィードバックをいただいた中で興味深い意見がありました。

「謎解きとか全然興味ない」って言われた方で、その理由は、

  • 謎解きには答えが一つしかない
  • 正解が一つしかない⇒問題制作者及び他の解答者と同一の思考プロセスをたどることを強制させる
  • だから、「別にいいや」ってなっちゃう

とのこと。

今まで僕は、謎解きに興味がない人の理由として「解けないから」「くだらないから」といったものを聞いたことがありますが、価値観として謎解きゲームにそのような限界があるとは気づきませんでした。

そのような方にも受け入れてもらえるゲーム作りができたら最高ですけど、それってゲーム性あるのか・もはや遊戯というより表現・芸術の範囲なのではとも思ったり。


自分の発表の全体的な振り返りとしては、現状謎解きゲームのいろんなことを調べようとして全部に手が届いてない状況だなあと。
あまり範囲を広げすぎず、没入感を生み出すためにはどうすればよいか、ポイントを絞って研究していきたいと思います。

論文で見るべき4つの要素

研究員発表の後、森田先生による論文の読み方講座的なものがありました。

研究的活動をしていくためには、論文を読み先行研究を知ることが必要です。
「この論文には○○について分かったって書いてあるけど、××については分かったって書いてないので、俺はこの××について研究しよう」というように、自分の研究分野において明らかになっていることとそうでないことを把握でき、自分がするべきことの道筋を立てられるからです。

そんな論文を読んで、研究のために整理するときにすべきことは、その論文の

  • 問い
  • 目的
  • 方法
  • 結果

を抑えることでした。

ワークショップとして、ある論文の上記4要素を抜き出してみるということをしました。

僕がつまずいたのは2つ目の目的の部分。
なんとなく「研究の目的とは何かの役に立てるため」みたいな意識があり、論文の言いたいことを抑えられていませんでした。

論文の目的はすべて「○○を明らかにすること」。

これから論文を読んでいくときには注意すべき点でした。


文献の管理方法としては、Evernoteに上の「問い目的方法結果」をメモして当該論文へのリンクを張って保存する方法が紹介されました。
これを機に、またEvernoteを使ってみようかなと思っています。

次回のヒマラボでは

それまでにやっておく自分の研究的活動としては、

  • 七隈祭で出店するための手続きなどを進めること
  • 先行研究・周辺研究論文の整理
  • 研究で明らかにしたいことをある程度ピンポイントで決める

ということをしておきたいなと思います。

自分の好きなことを調べながら、同時に普段の講義では得られない知見にも触れられるということが、ヒマラボの楽しさです。

楽しみつつ、まじめに遊んで(研究して)いきたいです。