あるむふぁっきら

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福岡の大学生による雑記帳。

なぜ、神さまを信じる人は幸せなのか? 【読書感想文】※批判あり

なぜ、神さまを信じる人は幸せなのか?


小林正観の「なぜ、神さまを信じる人は幸せなのか?」を読んだ。



読んだ理由

図書館にあるオススメコーナーに置いてあったから。

感想

小林氏の「『つらいこと』『苦しいこと』というのは存在しない。自分がつらいと思うからつらいのだ」という考え方はなるほどと思った。生きる目的を「自分の欲望を叶えること」とではなく「他者から喜ばれる存在になること」にすれば人格者になれるに違いないだろう。

その一方、「ありがとう」を連呼すれば幸せになれるという彼の思想は理解できなかった。特にこの主張の根拠が極めて疑わしい。

なんでも、全治3カ月のケガを負った人が「ありがとう」と唱えつづけたことでわずか1カ月で回復したらしい。また、アトピーを患っていた人が、毎日「ありがとう」と声をかけつづけた水を飲んだことで症状が改善したということも書いてある。

最も驚いたのは、江本勝の「水からの伝言」の内容をあたかも科学的事実のように取り上げて「ありがとう」の及ぼす影響を論じているところだ。

もちろんこの本は科学書ではなく宗教書に近いので、科学的か否かで良否を決めることはできない。しかし、このようなエセ科学を持ち出して自らの理論を強化しようとする試みは批判されるべきであると思う。

また文中には「宇宙」や「守護霊」など怪しさ満点の言葉が並んでいる箇所もある。この部分は、読んでいて非常に気持ちが悪かった。

まとめ

「ありがとう」と口にすることは本当にすばらしいことであるし、神仏を含めた自分の周囲に感謝して生きるようにすることもとても素晴らしいことだ。心穏やかに生きていけることだろう。

だが、どんなに良い事を唱えていてもそれを支える証拠がなければ無駄だ。出典不詳(に思える)の経験談や、常識的に考えておかしいエセ科学に自分の主張の裏付けを求めるのは何かを伝える側の人間として不誠実だと思う。

トイレ掃除を薦めていたり幸せの定義を考えたりと、自己啓発の一環として読む分には興味深かった。しかし本書の主張を鵜呑みにして「ありがとう教」に染まってしまうのは、理性的なことではないと思う。