あるむふぁっきら

福岡の大学生による雑記帳。

鍵のない夢を見る/辻村深月【読書感想文】

ぼくが今回読んだのは2012年の直木賞受賞作となった、辻村深月さんの『鍵のない夢を見る』です。

鍵のない夢を見る (文春文庫)


この本は5つの話からなる短編集です。
どの作品にも罪の大小は違えど、犯罪者や罪人が登場します。

普通の女性がだんだんと泥沼にはまっていき、取り返しのつかないところにまで沈んでしまう心理状況が生々しく描かれていました。
読んだ後は心がザワザワとしました。

特に、『芹葉大学の夢と殺人』では主人公の女性が飛び降り自殺して物語が終わります。大学の先生を殺した元恋人が確実に死刑になるために、自分もまた殺されたことにした主人公がとても悲しかったです。

けれど、5つ目に書かれている『君本家の誘拐』は救いのあるストーリーでした。自分の赤ちゃんを置き去りにすることを寸前で思いとどまった主人公が、赤ちゃんに何度も謝る場面からは、これからも登場人物がその場所で生きていくのだ、というメッセージが読み取れました。